同様に、文法教科書では「アナタ」とか、「こちら様」とか、これらを尊敬語に誤用できないと書いている。知らない人に対しても、知り合いに対しても使うと、失礼な感じをもたらす可能性もある[刘金才、《敬语》(外语教学与研究出版社、1998年)P.226より。]。
二、尊敬とする意味 ここまで、日本人は人称代名詞を使わないことを明らかになったが、普段敬意を表すために、「アナタ」など使うこともある。
『日本語と日本文化』の中に、「アナタ」を例として、尊敬する気持ちを持つ場合の例を挙げる[孫満緒、『日本語と日本文化』(外语教学与研究出版社、2007年)P.184-P.186より。 ]。
仕事の場合例文:刑事:恐縮ですが、山田さんでしたね。あなた。 山田:ええ。刑事:あなたはどうお考えですか、倉橋さんの死を。
特定の相手ではない場合例文:買い物上手のあなたに、今が買い時です。
初めて会う場合例文:見知らん男:カンパしてくれんねえかな。いくらか。スロットマシン当てたと
こ見てたんだ。
相手を呼ぶ場合。例文:みどり:あたし、あなたをしらないわ。 見知らん男:おれだってあんた知らないさ。
主人を呼ぶ場合
例文:妻:ねえ、あなた、手伝って頂戴。
夫:あ、いいよ。
以上のことを見るなら、第二人称代名詞、特に「アナタ」が敬意の意味を含む。
これらの先行研究の視点を見ると、日本人は絶対第二人称代名詞を使わないと言えない。特に、「アナタ」の場合、敬意を表すかどうかはまだ明らかにされていない。
そういうわけで、筆者はこの問題について考察してみたい。
(二)研究方法
本論では、以下のような研究方法を取ろうとしている。
1.文献閲読法によって、教科書や文法例などを集める。2.資料調査法によって、書籍やインターネットで調べる。3.問題例を踏まえて、日本語の第二人称代名詞の使い方に関して検討してみる。
4.本稿では主に、「アナタ」を取り上げて、中国語の第二人称代名詞と比べてみてから、日本人の気持ちを考察してみたい。
5.例文を取り挙げて、日本人の文化、または礼儀に関してアプローチしてみたい。
第二章 日本語の第二人称代名詞について第一節 日本語の第二人称代名詞の種類 中国語で第二人称代名詞はただ〔你〕、〔您〕[ 中国語の場合は〔 〕を使い、簡体字で表記する。]二つしかない。英語では第二人称代名詞は
ただ「YOU」ひとつしかない。一方、日本語で第二人称代名詞の種類は多くある。基本的には、女性は「あなた」、「あんた」を使い、男性はそれ以外、「きみ」、「おまえ」、「きさま」などを使う場合もある。そのため、筆者は尊敬度に従って表2-1を作ってみた。この表を通じて、日本語の第二人称代名詞の種類をまとめてみたい。
表2-1:日本語の第二人称代名詞の種類[ 筆者が第二人称代名詞を纏めて表2-1を作成した。]
尊敬程度「高い~低い」
男 あなた あんた きみ おまえ きさま
女 あなた あんた
上記表2-1は日本語の中には第二人称代名詞が多く示されている。そのため、中国人の日本語学習者は日中対訳場合、中国語の〔您〕を日本語の「あなた」、「きみ」、「おまえ」に訳してしまう傾向が多く見られる。それにもかかわらず、日本人はあまり第二人称代名詞が使われていない。次の第二節では第二人称代名詞の使用率と使い方を考察してみたい。
第二節 日本語の第二人称代名詞の使い方
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